第二回在宅医療勉強


すぎなみ在宅診療所で第二回在宅医療の勉強会が行われました。
今回はIVH、腎ろう管理アルコール性肝障害の症例検討を行い、在宅医療の有用性と役割を説明しました。
また、ノロウィルス感染症について、大塚製薬株式会社様にご協力いただきノロウイルス抗原キット(クイックナビTM‐ノロ2)を紹介いたしました。

前回よりも多くの方にご参加いただき、充実の勉強会となりました。

勉強会の様子

第一回在宅医療勉強会の様子

在宅医療の症例検討

CASE1~胃癌末期:IVH・腎ろう管理目的の患者様

初回往診、内服、IVH製剤及び必要物資の確認。
通院にて化学療法継続。抗がん剤投与後は問題ありませんでしたが、食事が摂れず倦怠感が増加しました。

その後、症状に変化あり外来受診。食事量が半分になり化学療法が隔週となりました。
(オプソ・デュロテップMTパッチ4.2mgを使用)

痛みは消失して傾眠傾向となりましたが、本人の多幸感がみられました。

一人で介護や点滴管理をしていた次男への負担が大きくなり、
介護疲れからうつ病が再発してしまい入院となったため、やむなく本人は病院入院。

CASE1~メモ

胃がん再発。水腎症合併し、腎ろう設置された状態で外来抗がん剤治療を継続していました。

食事摂取不良のためIVH管理。旦那様は、介護能力がなく日中は仕事に出ているため近隣に住む次男が毎晩訪問していました。

次男は医療従事者であり、ある程度の知識があるためすべてを背負いこんでしまい、負担が大きくなりました。

次男は、うつ病の既往があり、介護疲れから再発してしまい入院となったため、本人は病院入院を余儀なくされてしまいました。



CASE2~アルコール性肝障害~廃用状態の患者様

アルコール摂取量が多く、次第に食事の摂取量が低下し、筋力も低下。
近医から禁酒を宣言されるも病院受診を拒否したため、奥様から往診の依頼がありました。

飲酒量を減量するように指導。ミノファーゲン注射を行い、
またそれぞれ週一回の入浴介助と訪問リハビリを開始しました。

飲酒制限は守られず、腹水貯留が著明になりその後Na値が低下しました。

飲酒は依然継続。腹痛と浮腫も出現して、低栄養が進行しました。
その後肝障害による不穏状態が強くなり、奥様から入院させたいと希望があり、連携病院に入院となりました。

CASE2~メモ

アルコール性肝炎、腹水貯留の男性。断酒ができないまま廃用状態となっていました。

献身的な奥様の介護に依存しており、奥様もそれが当たり前のように暮らしていました。

病状の変化は説明していたが、理解されておりませんでした。また、理解できるように説明できなかったことも問題でした。

医療的介入はできましたが、生活支援ができず奥様の負担が大きくなりました。



ノロウィルスとノロウイルス抗原キットのご紹介

今回の在宅医療勉強会では、大塚製薬株式会社様にご協力いただき、ノロウィルス感染症やノロウイルス抗原キットについてのご説明がありました。

ノロウィルスとは

感染性胃腸炎の主要起因ウイルスで、人の腸内(主に小腸)でのみ増えます。感染力が非常に強く、主な症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などです。

ノロウイルス抗原キット クイックナビTM‐ノロ2

クイックナビTM‐ノロ2
(※大塚製薬株式会社様にご協力いただきました)

ノロウイルス抗原を迅速かつ特異的に検出することが可能な測定キットです。


すぎなみ在宅診療所では

すぎなみ在宅診療所では、「他業種との迅速な連携」、「関わる全員の情報共有」、「病状等を理解しやすく説明する」、「経済問題への対応」を心がけています。
お気軽にすぎなみ在宅診療所までお問合せください。

すぎなみ在宅診療所のモットー

前のページに戻る