第三回在宅医療勉強


すぎなみ在宅診療所で第三回在宅医療の勉強会が行われました。
今回は、認知症・廃用状態の高齢の方の症例検討を行い、認知症の方への理解と接し方や症状を説明しました。
また、抗認知症薬の紹介も行いました。

多くの方にご参加いただきました。

在宅医療勉強会の様子

第一回在宅医療勉強会の様子

第二回在宅医療勉強会の様子

在宅医療の症例検討

CASE1~認知症の女性の患者様の症例

4年前から、外出の待合わせに到着ができなくなり、警察の世話になる事が多くなりました。
本人は病識がなく検査も投薬も拒否されていたので、月一回健康診断として往診開始。

銀行振込みを忘れたり、冷蔵庫がしまらない程の買い物をしたり、
入浴や洗濯をしない等といった症状がみられました。(往診開始~8ヶ月後まで)

着衣に異常が認められ、部屋に新聞雑誌が山積みとなるが、「自分でやる」といい、介入は拒否していました。
その後、親族が掃除をしたり、ケアマネが冷蔵庫の中の腐った食べ物を捨てるようになりました。
しかし、自分が買ってきた食べ物ではないと主張。往診から1年後ガスの消し忘れが始まりました。

健康診断の名目で、頭部MRI検査を実施。脳萎縮高度でアルツハイマー型認知症と診断になり、
親族が後見人となるように準備を進めました。

1年8ヵ月後、ケアマネージャーを自宅に入れなくなり、親族に「お金がない」と散々電話をかけてくるようになります。
精神科外来を受診させ、その後施設入所となりました。

CASE1~メモ

独居・高齢の認知症女性。ADL(日常生活動作)は自立。血液検査上は特に問題なし。長谷川式簡易知能検査は18点。

知的レベルが高く、頑固であるため介入が困難でした。内服拒否により認知症の進行を緩和できない状態でした。

ケアマネージャーが親族のように介入し、自宅での生活を延長することができました。

行政の精神科医に介入を依頼したが、本人の強い拒否があり不可能でした。



CASE2~寝たきりの廃用状態の男性患者様

誤嚥性肺炎で入院中にアルツハイマー型認知症の診断を受け、退院時に往診依頼がありました。
退院一ヶ月後、下痢が継続のため整腸剤を定時内服。体幹・四肢の皮膚に発赤疹があり、皮膚科往診開始。
この頃から体力低下が著しくデイサービス休止。

訪問介護介入を受入れ、開始します。仙骨部皮膚褥瘡を発見。感染も伴い抗生剤内服を開始。
褥瘡が治癒。筋力温存のためリハビリが必要とデイサービス再開を勧めました。

残薬が多数あり、昼もカーテンが閉まっており不健康・不衛生状態が続く。
褥瘡が再発し、訪問介護による処置でも悪化傾向。往診日に奥様の外出が続いてきます。

デイサービスは休みがちになり、関節拘縮が進行悪化。栄養状態も考えエンシュアリキッドを処方開始します。
栄養状態、褥瘡とも悪化のため連携病院へ入院させるが、妻の意向で自主退院となります。

褥瘡が悪化し、下肢にも発症してしまいます。採血上栄養状態が改善せず入院先を探すが、
受入れ先が見つからず、往診時に褥瘡のさらなる悪化を認め、感染の合併を疑い救急要請となります。
入院から18日後、肺血症による多臓器不全で逝去となります。

CASE2~メモ

ご家族にも知的障害があり、不衛生な環境で生活していました。内服管理もできず、行政の介入も受入れ不良でした。

ご家族に病状の変化は説明していましたが、理解されず治療・処置が後手になる事が問題でした。

褥瘡から感染症を合併し、肺血症のため逝去されました。



認知症の症状

認知症の症状は、主に判断力の低下やもの忘れのような症状があります。

認知症の症状
認知症の症状

認知症の方への理解と接し方

認知症の方への理解と接し方は、五感が変化していることを理解して、軽視や無視したりしないで個人を尊重し接しましょう。

認知症の方への理解と接し方

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